今日は、キッズラインが絶好調なカラーズ代表の経沢香保子さんと、ベストセラー作家を多数輩出しているエリエス・ブック・コンサルティング代表の土井英司さんの対談セミナーに参加してきました。
テーマは「大胆に生きる技術」。
非常に濃密な2時間でした。
名言連発の対談、その一部をご紹介します!
自信がない、だから結果を出すことにこだわる
まずは経沢さんの生い立ちから。
お父様が非常に厳しく、「父が法律」という家庭だったそうです。
お母様は専業主婦だったそうですが、あるとき「これからは女性も働く時代になる」といわれた経沢さん。
自分の家族しかロールモデルがいなかったので、「女性が働くってどういうことなんだろう?」と想像がつかなかったとのこと。
小学4年生の頃、「1億円あれば女性でも自由に生きられる!」という結論に達したんだそうです。
当時の金利は7%、つまり1億円あれば毎月利息だけでも暮らしていけるから(笑)
1億円貯金するためには、いい学校に入らなければ!と猛勉強して、中高は桜蔭へ(毎年2桁の生徒が現役で東大に合格するような進学校)。
※このあたりの詳しいエピソードは以下に掲載されています。
その後、慶応義塾大学に入学。新卒でリクルートに入社されます。
一見華やかなご経歴ですが、褒められて育たなかったから、自信のない部分がある、とおっしゃいます。
それを受けて、土井さんから「自信がないのに起業したのはなぜ?」と質問が。
自信がないから、結果を出すことにこだわるんです。
ただひたむきにやるしかないって思ってるんです。
個人的に、ものすごく目からウロコでした。
自己肯定感が低いまま大人になってしまった場合、小さくてもいいから結果を出して、少しずつ自信をつけていくしかないんですよね。
私も自己肯定感の低さにずっと悩んでいて、以前個人ブログにこんな記事を書いています。
経沢さん流「会社を選ぶ基準」=ブラック企業!?
新卒でリクルート、その後創業間もない楽天に転職→トレンダーズを起業された経沢さん。
土井さんから「どういう会社を選べばいいのか、基準みたいなものはありますか?」という質問され、「ブラック企業」とキッパリ答えていらしたのが印象に残りました。
「自分にチカラをつけたい」っていう思いが根本にあります。
体力・精神力・志……チカラがあれば何でもできると思っているので。
私の場合、ハードな環境のほうが「どうやってバランスを取るか?」をすごく考えられるんです。
何でこんな理不尽なことがあるんだろう?じゃあ、どうやったら理不尽じゃなくなるんだろう?って。
リクルートでも楽天でも、朝から晩まで働きまくって、「社会人としての基礎体力」がついたんだそうです。
最近は「営業職」を避けたがる若手が多いのですが、経沢さん曰く「営業がいい!」とのこと。
なぜなら、1年目も5年目も関係なく、売上で比較されるから。
自信のなかった経沢さんは、営業職を経験することで以下のようなメリットがあるとおっしゃいます。
- 営業=結果が可視化される仕事に向き合うことを、最初の仕事で経験する
- 「仕事をやりきる」経験を得ることができる
- やり切って結果を出すことで、周りから認められる
私も以前リクルートグループで働いていましたが、確かに入社1年目でも5年目でも、同じ土俵で比較されますし、結果は常に可視化されていました。
経沢さんが「当時のリクルートは、”お客様を自分で見つけてきて当然”」とおっしゃっていて、確かにそうだったなと懐かしく思い出しました。
起業してわかった「自分の基準」
今日の対談は名言の連発だったんですが、中でも印象に残っているのが経沢さんの以下の言葉でした。
評価基準はあくまで「自分」
他人と比較するからダメなんです。
「他人に評価されよう」とするのは地獄の始まり。
地獄、って単語に少しぎょっとしましたが、つまり「他人の評価軸」に依存するとキリがないってことですよね。
そうではなく、「自分の周りにいる人を幸せにするには、どうしたらいいんだろう?」と考えればいい、と経沢さんはおっしゃっていました。
その「自分の基準」に気づいたのは、起業してからだそうです。
起業すると、売上目標や採用基準など、全部自分で決めなければならない、誰かが書いたモノではない「手書きの人生」になります。
だから「自分の基準」で物事を選ばないと失敗します。
経沢さんにとっては、起業してから「自分の基準で生きる」という感覚に脱皮するまでが大変だったそう。
壁にぶち当たったらどうする?
土井さんから「経沢さんは時代を読むのが上手いよね」と言われた経沢さん。
しかし「最初からセンスがいいなんてことはない」とおっしゃいます。
「何とかしなきゃ!」って執念ですよね。
逃げないでコツコツ改善していくと、だんだん「こういうことか」って分かってくるんです。
あと、大事なのが「逃げないで突破した」経験。
それを受けて土井さんも「逃げたい、って思ったところから、あと2歩踏み出せる人は成功する」とおっしゃっていました。
「壁にぶち当たったとき、どうするの?」という問いかけに対して、
ぶち当たって、ぶち当たって・・・突破!みたいな(笑)
あとは何とかなる、って信じ切ることですね。
間違えてたとしても、ひたむきに行動していれば、誰かが拾ってくれます。
大事なのは「自分の意見」で行動すること。そうじゃないとデータ(≒経験)が蓄積されないから、感覚が磨かれないんです。
自分の考えで行動すれば、カンが鋭くなっていきますから。
とおっしゃっていて、ココでも「他人の軸」ではなく「自分軸」で行動することが大事なんだなと感じました。
「普通の人とクレイジーな人の違いは?」という問いに対して「「やりたい」って思いの強さ」とおっしゃる経沢さん。
ご自身の手掛けるキッズラインを「信号機や蛇口のように、あって当たり前の存在、社会のインフラにするまで、絶対に諦めずにやる」と強くおっしゃっていました。
昔は近所の人などコミュニティ全体で子どもを育てていましたが、今は母親に子育ての負担がかかり過ぎている、とおっしゃっていて、確かにそうだな、と感じます。
「母親が育てなければ愛情不足だ」なんて誰が決めたの?と経沢さん。
そういう「よくわからない罪悪感」みたいなものが、現代の女性(特にお子さんのいる方)の間にあるような気がします。
だから「ベビーシッターに預ける」ことも罪悪感をもつ方がいるんでしょうね……
苦しいとき、いかに周りに目を配れるか
「人は物事の受け止め方によって、人生が変わる」――1人目のお子さんを亡くされたことに触れつつ、こんなふうにおっしゃる経沢さんは、やはりスゴいなと思います。
詳しい話はここには書きませんが、以下の記事で語られています。
土井さんも「苦しいときに、いかに周りに目を配れるかが大切」とおっしゃいます。「自分しか見えなくなるから、もっと辛くなるんだ」と。
上場を目指してすごく大変だったとき、サイバーエージェントの藤田社長に「僕も経沢さんも能力は変わらない。同じ人間だよ」といわれて、もうちょっと頑張ってみようと思えた、と経沢さん。
すごい人に会ったときに「私にはなれない」と思う人と「私にもなれそう」と思う人の違いは、「成功体験があるかどうか」とのこと。
経沢さんも、それまで悩みながら積み上げてきた経験があったから、頑張ろうと思えたのかなと感じました。
相談相手を選ぶコツ
経沢さんは苦しかったときに藤田社長に相談されましたが、その話を受けて土井さんが「相談する相手を間違えたら、人生変わっちゃうよ」とおっしゃっていていて、経沢さんも「確かに!」と賛同されていました。
相談相手の選び方はカンタンです。「経験者に聞く」だけ。
何でみんな起業したことないサラリーマンに、起業の相談するんだろう?
何で離婚したことない人に、離婚するかどうか相談するんだろう?
これには会場中が納得でした。
これに関連して、人脈づくりのコツについて聞かれた経沢さんの答えが、はあちゅうさんと似ていて、確かにそうだなと深く共感。
「会ったら絶対に仲良くなれる人」としか会わないんです。
どういうことかというと、相手にメリットを与えられないなって思う場合は、会いません。
相手の時間が命だと思っているので、お役に立てるときに会いたいんです。
そうじゃないと、たとえ会えたとしても、1回で終わってしまいますから。
「お世話になった以上のモノをお返しする、って決めてるんです」とおっしゃる経沢さん。
「こいつは絶対に裏切らない」って思ってもらっているから、ご縁が続いているのかも、ともおっしゃっていました。
やはり「何を言うのか」ではなく「何をするのか」が大事ですよね。
言うだけなら誰にでも言えるけど、それを本当に行動に移せるかどうか。
■編集後記■
今回の対談で初めて「トレンダーズ」の社名の由来を知りました。
そのエピソードを話してくださる中で、「”経沢香保子事務所”は短命っぽくてイヤだった」というのが面白かったです(笑)
他にも印象的なエピソードがたくさんあって、対談中にいくつかツイートしたので引用します。
Q.夢をありありと思い描けなくなったら、どうすれば?
経沢さん「寝る。」
面白すぎですw #elies— 筒井智子@踊るOL。/マナビシェア (@jaggyboss) 2016年6月1日
質疑応答。
Q.まったく気の利かない社員がいたら、どう育てる?
経沢さん「え、採用しない(スパッ)」
会場爆笑w #elies— 筒井智子@踊るOL。/マナビシェア (@jaggyboss) 2016年6月1日
「夢を描けなくなったら?」の回答には、もちろん続きがあります(笑)
いつかきっとイメージが湧いてくるから、自分が良いと思うモノや人に触れて、自分を最高のコンディションにしておくこと。
答えを求めるのではなく、人のためになることをし続けていたら、きっと描けるようになります。
あとは「15分タイマーをかけて、ひたすら頭に思い浮かぶことをノートに書いていくのもオススメ」とのこと。
コレ、私もやってみようと思います!
経沢さん、土井さん、素晴らしいマナビの時間をありがとうございました!!!
経沢さんがブログで私のツイートを引用してくださいました!
■『大胆に生きる』について : Colors社長 経沢香保子「人生を味わい尽くす」blog
全力を尽くしている人の言葉は真っ直ぐに届く〜『ベンチャー魂は消えない』経沢香保子 | マナビシェア
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