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【イベントレポ】Editor Meetup vol.1 編集者のスキルアップ法

【イベントレポ】Editor Meetup vol.1 編集者のスキルアップ法

最近、ライター向けのMeetupは増えてきましたが、編集者のMeetupはほとんど見かけません。

「編集」は言語化が難しい仕事です。
でも、本や雑誌、WEBなど文章に関わることだけでなく、イベントや空間、企画書やメールなど、さまざまな場面で役立つのが「編集」だと私は思います。

今日はそんな貴重な「編集者のためのMeetup」に参加してきたので、その様子をレポートします!

目次

1.登壇者紹介

まずは今日の登壇者の紹介から(イベントページから抜粋しました)。

林亜季さん
ハフポスト日本版 Partner Studio チーフ・クリエイティブ・エディター。
スポンサードコンテンツをはじめとした、ハフポスト日本版の広告事業を統括している。
1985年、福井県出身。2009年、朝日新聞社入社。記者経験後、メディアラボで新規事業開発に携わる。経済部記者を経て、17年7月から現職。 東京大学法学部卒。

櫛田健介さん
株式会社リクルートキャリア コンテンツマーケティングG リクナビNEXT編集デスク。
『リクナビNEXTジャーナル』『リクナビNEXT転職成功ノウハウ』をはじめ、転職メディア関連のコンテンツ戦略・編集に携わる。特に『リクナビNEXTジャーナル』においてはチームリーダーとして、2年でPV1500%成長に貢献。

1985年、千葉県出身。2008年、株式会社ベネッセコーポレーション入社。教材編集・DM制作を担当しつつ、教材を活用したオウンドメディア企画を起案。2014年10月より現職。上智大学文学部出身。

初瀬川裕介さん
株式会社はてな サービス開発部 編集。雑誌出版社で編集業務を経て、Webの世界へ。サムライト社で、メーカー、人材系など大手企業のオウンドメディアを運営し、その後2017年5月から現職。
自社サービスに掲載されるコンテンツ、またクライアントのオウンドメディアの運営を担当する。メディア運営から企画立案、取材、執筆、撮影、グラフィック作成など、コンテンツマーケティング全域での業務をフォロー。1981年東京出身。

モデレーター・後藤亮輔さん
PR Table執行役員。宮崎県都城市出身。雑誌・CMのコピーライターを経て、エン・ジャパンで採用関連業務、CAREER HACKの運営を兼任。フォトクリエイトでのメディア事業立ち上げの後、サムライトのCCO(最高コンテンツ責任者)として2016年朝日新聞へのバイアウトに貢献。2017年6月よりPR Tableに参画。

2.ディスカッション

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ディスカッションは3つのお題に対し、パネリスト3人が事前に回答した内容について、話し合っていく形式でした。

アウトプット、どう磨いてる問題

まずはアウトプットの磨き方について。

林さん:ディティールが全て
取材で一番大事にしているのが「ディティールをできるだけたくさん集める」こと。
美しいものを「美しい」と書いても読者には伝わらない。データを集め、企画時に妄想レベルで出した切り口に、どんどん肉付けしていく。

初瀬川さん@はてな:フルスタッフで全部やる
編集者は企画を立てて、上がってきた素材を活かすことが仕事。
でも、自分は企画を立て、取材に行き、写真を撮りなどアウトプットに関わることを一通り全部やった。
それぞれのことを、真似事でもいいからやっていると、スペシャリスト(プロのライターやカメラマン)が上げてくるものの構造や良し悪しが、何となく理解できてくる。

櫛田さん@リクナビNEXT:リバースエンジニアリング
自分が「こういう記事を書きたい」ということと、どうしたら拡散されるか、5W1Hを使って分解→キーとなる部分はどこなのか?を確かめる。

後藤さん@PR Table:エモを足し算
取材をするにあたって、「コレいいよね」っていういい話だけ聞いても面白くない。
シビレるなーっていう部分をいかに引き出せるか。

*****

初瀬川さんの発言に共感しました。
私もライターだけでなく、編集やディレクション、撮影をやってみて、初めて分かったことがたくさんあります。

林さんの「ディティールをできるだけ集める」のも、後藤さんの「シビレる部分を引き出す」も、まだまだ修行が足りないなーと思うことばかり。

櫛田さんの「競合やバズっている記事を分解する」はやってみたことがなかったので、さっそく取り入れてみます。

永遠の課題、タイトル問題

続いて、私もニガテというか、いつも時間がかかりまくるタイトルの付け方について。
ブロガーとしても悩むところです。

林さん@ハフポ:主観を思いっきり出す
ハフポで執筆した「女31歳。生まれてこのかた、一度も生理がない」という記事がバズった。
他にもいろいろタイトルを考えたが、一般の人に読んでもらうためには、振り切らないと。
主観を思いっきり出すか、年齢・属性を入れて、親しい人に興味を持ってもらうようにしている。

女31歳。生まれてこのかた、一度も生理がない。|ハフポスト

初瀬川さん@はてな:量の表現・アイコン的固有名詞
読者はタイトルを見て判断するので、読了メリットを可能な限りタイトルに投入したい。
その際に気をつけているのは、「誰に(インタビューの話者)・何を(その人が語るから意味があること)・どのくらい」。
アイコン的固有名詞というのは、取材記事に多い。
語ってくれた方は、何らかの専門性や、取材しするフックになる何かを持っているはず。
その人が語ったからこそ意味のある固有名詞を入れる。

櫛田さん@リクナビNEXT:ネガティブバイアス
ここぞというときには、ネガティブのほうが人間の本性を言い当てているなというところがある。
「営業成績トップを目指したい」より、「営業成績、平均より下になりたくない!」のほうが心が動くのでは。
ただし、メディアのブランディングと相反しないように。
あと、良いことと悪いことは両論併記する。タイトルでネガティブなことを書いても、それに該当する人を本文中でフォローするなど。

後藤さん@PR Table:朝どれ野菜をその日のうちに
タイトルは言葉の組み合わせでしかない。
メンバーには「とは」を使うな、と言っていた。摩擦係数が弱くなっている。目がキャッチしない言葉になっている。
最近、朝得たインプットをその日の仕事で使う、ということを意識している。
忙しくなればなるほどインプットできず、枯渇していくので、朝にインプットした言い回しや単語などをその日中に使ってみる。

編集とライターの関係性問題

厳しく行き過ぎるとライターが離れてしまう。厳しく行かないと、ライターから良いアウトプットは出てこない。

林さん@ハフポ:いじらない(あんまり)
スポンサードコンテンツを全部見ているが、基本的にいじらない。
滞在率や離脱率を気にする会社も出てきたが、タイトルとアイキャッチ、前文(リード)が良ければ読んでもらえる。
手を加えるとしたら、前文を直す程度。

初瀬川さん@はてな:素人感を残す
プロのライターと仕事をすることも多いが、はてなブロガーをはじめ、ブロガーに寄稿をお願いすることが多々ある。
プロのライターとの付き合いとは違う。ブロガーだからこそ書けるテイストが残っていることもあるが、それは残すべき部分。
文章の構成や文尾が稚拙だと感じることもあるが、意図的に残すことも多い。

櫛田さん@リクナビNEXT:データで返す
日々の原稿の戻しにおいても、振り返りでも、きちんとデータにもとづいてフィードバックする。
ライターと付き合うとき、事前に編集コンセプトと方針を伝えて書いてもらっている。
リクナビNEXTジャーナルのKPIはPV。
PVが多少振るわなくても、ソーシャル上で良い反応があれば、副次的にフィードバックする。
PV以外だと、ソーシャルシグナル数。UUなどを伝えることも。

後藤さん@PR Table:強弱をつける(返し方に)
2回フィードバックすると決めている。
ズレていたら、そもそも方向性が違うよね、と。
Googleドキュメントなどで、文章にマーカーを引いて、「ココはこういう方向性にしてください」と伝える。細かい部分は2回目に。
タイトルとリードは最後に自分が手を加えることも多いが、「どういう意図で変更したのか」をフィードバックする。

*****

後藤さんや櫛田さんがやっていらっしゃるフィードバック、ライター的にはものすごくありがたいです。
私もタイトルやリードを直されて、記事が公開されることがありますが、何となく修正後のほうが良いのは分かるものの、「どういう意図で」直したのかをフィードバックしてもらえると、次に活かせますよね(いや、自分で考えろってことなんですけどね)。

3.質疑応答

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最後のパートは、事前に参加者から募った質問からピックアップして、パネリストたちがその場で回答する形でした。

一部を抜粋してご紹介します。

Q.インプットはどうしていますか?

初瀬川さん@はてな:
固有名詞というところをインプットでも大事にしていて、はてブを1日80回くらい見ている。
何がホットトピックスなのか生活の中ではつかめないので、はてブで定点観測→「この固有名詞、最近発生率が高いな」→記事の企画に使ったりする。

林さん@ハフポ:
目の前で起きている事象や、気になることを、頭の中で言語化するようにしている。
何で私はコレに怒っているんだろう? 何でコレを自分は美しいと思っているのか? など、iCloudのメモに残している。

Q.文章の良し悪しは、どう判断する?

櫛田さん@リクナビNEXT:
インタビュー記事は、取材の構成力による。起承転結がちゃんとあるか。
ちゃんと「転」の部分がないと、つまらない。
挫折経験や、ドラスティックなキャリアの変わり方など、転にこだわって文章を見る。
インタビューで聞いたことを全部盛りにしてしまうと、幕の内弁当みたいになって、印象に残らない。

林さん@ハフポ:
読んだ人に「あ、無駄な時間だった」と思わせない文かどうか。
何のニュースもない、と思わせちゃったら、良くない。
ニュースが幾つもあったら、何が一番言いたいかハッキリしないので、それも良くない。
あとは、読点にこだわっている。
自分の頭の中で声を出して読んで、引っかかるような文はあまりよくない。



■編集後記■

普段あまり接する機会のない人にとって「編集者」って何をやっているのかナゾだったりしますよね(私もそうでした)。

今回のレポートが、理解のヒントになれば幸いです。

私自身、周りにデキる編集者は多いんですが、彼らの仕事の仕方や考え方をあまり聞いたことがなかったので、今日の話は非常に新鮮&学びの多いものでした。

私は編集よりライティングの仕事が多いですが、今後は積極的にチャレンジしてみようと思います。

ではまた!

【イベントレポ】Editor Meetup vol.1 編集者のスキルアップ法

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