英語のプロはこう学ぶ! 『同時通訳者のカバンの中』関谷英里子

本のマナビ
英語のプロはこう学ぶ! 『同時通訳者のカバンの中』関谷英里子

関谷英里子さんといえば、NHK「入門ビジネス英語」の元講師で、アル・ゴア元米副大統領、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ、ダライ・ラマ4世など一流講演家の通訳を務めてきたカリスマ同時通訳者。

そんな関谷さんが、普段どのようなツールを使って英語を学んでいるのか、余すところなく紹介されているのが本書です。

どんな人にオススメ?

勉強する子ども

グローバル時代と呼ばれて久しいですが、英語力が必要と言われても、仕事などで必要でない限り、なかなか手が回らないという人も多いのではないでしょうか。

本書は、

「仕事で必要になったから、本気で英語を勉強しなければ……」
「英語が必要なのは分かるけど、お金をかけたくない」
「英語初心者すぎて、何から手をつけたらいいか分からない」

という人に特にオススメです。

 

「カリスマ同時通訳者の英語学習方法なんて、ハードル高そう……」って思いますよね(私がそうでした)。

でも、本書は関谷さんがこれまで学んできた時代に沿って、

  • 学生だった頃(=英語学習初心者向け)
  • 会社員時代(=忙しくて時間がない人向け)
  • 同時通訳者ビギナー時代(=さらに一歩先の英語力を身につける)
  • NHKラジオ講師時代(=ラジオ講座の使い方)
  • 同時通訳者のスマホの中(=無料でできるスマホでの英語学習ツール)

と章ごとに分かれているので、自分の学習レベルに合わせたツールを知ることができます。

超具体的に学習方法を紹介

ポッドキャストを活用

英語学習では「ディクテーション」と呼ばれる英語の書き取りが有効だといわれています。
映像や音声を流して、聞いた英語をそのまま書き取る方法です。

本書では、このディクテーションについて、非常に詳しく具体的なやり方が紹介されています。

1回目の視聴のときは、英語を聞いて内容を理解するようにします。
(中略)
あまり自信がない場合は、2回目は英語字幕にして、実際にはどのようなセリフが言われていたかを把握します。
(中略)
書き取りのイメージとしては、
There are two kinds of pain. Good pain – the sort of pain that…
あたりまで聞き取り、そのうち There are two kinds of pain. までは書き取れるといいでしょう。(P.45)

ここまで具体的に書かれていれば、「ちょっとやってみようかな」と思えるのではないでしょうか。

「時間がない」なんて言い訳できない

時間がないなんて言い訳

今でこそ「カリスマ同時通訳者」と呼ばれる関谷さんですが、同時通訳を始めたばかりの頃にやっていた訓練についても紹介されています。

駅のホームでは、改札口から一番遠いところで電車を降り、ホームをあるきながら英語をイヤホンで聞き、シャドウイングや同時通訳の練習をするのです。
(中略)
駅のホームであれば、朝夕は特に混雑していることが多いし、発射のベルなどもあり、周りの目線は気になりません。周りにも声は聞こえないでしょう。
そんな環境でホームの端から端まで歩くと数分。このある程度まとまった長さを同時通訳に使います。(P.123-124)

関谷さんもこんな風に努力してきたんだ! と驚きました。

「ほんの数分」であれば自分でも確保できるはず。
関谷さんのように通勤時間を活用すれば、「忙しい」「時間がない」なんて言い訳できないですよね。

英語を学ぶ手段はいくらでもある。あとは「どれだけやるか」

やるかやらないか

関谷さんは2014年に渡米し、スタンフォード大学経営大学院でMBAを取得されました。現在もサンフランシスコに住み、日本とアメリカを行き来しながら、同時通訳や企業のコンサルティングなどで活躍されています。

本書の後半には、現在の関谷さんが使っている英語学習ツールが紹介されていますが、正直「もう勉強しなくてもいいのでは?」と思ってしまいます。

もちろん、仕事だからというのもあるとは思いますが、本書を読んでいると関谷さんが楽しみながら英語を学んでいる様子が伝わってきますし、もはや英語学習が生活の一部になっていることが分かります。

 

本書を読んで、関谷さんが自身の講演でよく言っている本人作の名言

It’s not about “HOW” anymore.
It’s about “HOW MUCH” you use the language.

を思い出しました。

ここまで具体的にツールを紹介されてしまったら、あとはやるだけ! ですね。

ちなみに、「将来的にAIなどテクノロジーの発達によって、英語を勉強しなくてもよくなるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、本書の後半でキチンと「それでも英語を学ぶ理由」が説明されていますよ!(P.180〜)
(私もココを読んで「ですよねー」って思いました笑)


■編集後記■

久しぶりの英里子さんの新刊!
今まで知らなかったエピソードがたくさん出てきて、英里子さんファンとしてもとても楽しく拝読しました。

ちなみに、丸善丸の内店限定で、本書について英里子さん本人が解説している音声CDがもらえるそうです(なくなり次第終了)。

すでに他店舗で購入済みの方は、担当編集さんにTwitterでメンションを送れば対応してくださるようです。


同時通訳者関谷英里子サンフランシスコ・シリコンバレー生活