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キーワードは「レジリエンス」と「well-being」〜ポジティブ心理学と教育/イローナ・ボニウェル博士

キーワードは「レジリエンス」と「well-being」〜ポジティブ心理学と教育/イローナ・ボニウェル博士

今日はお友達に教えてもらった面白そうなセミナーに行ってきたので、シェア!

ポジティブ心理学という、まだ定義されて10数年の新しい学問と、教育を結びつけてのセミナー。

「ポジティブ心理学」って、そもそも何?と事前に調べてみたところ、一般社団法人日本ポジティブ心理学協会のサイトによると、

ポジティブ心理学とは、私たち一人ひとりの人生や、私たちの属する組織や社会のあり方が、本来あるべき正しい方向に向かう状態に注目し、そのような状態を構成する諸要素について科学的に検証・実証を試みる心理学の一領域である、と定義されます。

とのこと。

うーん、イマイチ分かりにくい?
いろいろな記事を読んでみましたが、要するに「よい生き方とはどのような生き方か?」というようなテーマに対して、独自のフレームワークで分析したり、実証したりしている学問のようです。

 

ふむふむ。
物質過多の現代において、コレって結構重要なテーマなんじゃないかな?と思いました。

経済的に豊かで、そうそう飢えることもないのに、自殺者が年間3万人を超える日本。
そんな私たちの国では、物質的に満たされている=シアワセであるとは言えないわけです。

「よい生き方」ってテーマがざっくり過ぎる気もするけど、そういうフワッとしたことをキチンと分析して、現場というか生活に取り入れることは、今の日本にとって大切なことだと感じます。

というわけで、いつものようにセミナーメモをシェアします。

 

目次

well-beingって何??

まず今回の登壇者、Dr. Ilona Boniwellについて。

イローナ・ボニウェル博士
心理学博士
英・イースト ロンドン大学大学院 応用ポジティブ心理学修士課程(MAPP)プログラムディレクター

 

欧州におけるポジティブ心理学の第一人者。
マーティン・セリグマン教授の依頼を受けポジティブ心理学欧州ネットワーク(ENPP)創立、第一回欧州ポジティブ心理学会議主宰、欧州で初めてとなる「応用ポジティブ心理学修士課程(MAPP)」を創設するなど、欧州におけるポジティブ心理学の普及と発展に貢献する。

なんだかスゴい経歴…ですが、ご本人は5人のお子さんを持つ母親でもあり、笑顔のステキな親しみやすそうな女性でした。

ポジティブ心理学において、たびたび登場するキーワードが、
Resilience(再起力)」と「well-being(充足感)
という2つの言葉です。

ポジティブ=善、ネガティブ=悪、というわけではありませんが、ポジティブな気持ち(≒幸福感が高い状態)でいることによって、様々なメリットを享受できる、とのことでした。

例)
マルチタスクで物事を処理できる(ネガティブだとシングルタスク)
問題に直面した際、クリエイティビティの高い解決策を考えることができる
病気にかかりにくい/寿命が約7年長い

幸福感が高いほうが良いなら、自分1人の幸せばかりを追求するヒトが増えるのでは?
という疑問がありますが、このことに対して博士曰く、「自分が幸せであれば、他人や社会の幸せへと目が向く」そうです。なるほどー!

ネガティブな感情をコントロールする4つのプロセス

ポジティブな状態が良いことは分かったけど、いつもポジティブじゃいられないよ…
そんな声が聴こえてきそうですね。ワタシもそう思いました(笑)

続いては、ネガティブな感情との向き合い方について。
4つのプロセスに沿っての解説がありました。

1)感情に気づく
⇒怒りの感情とはどのようなものか?どんな種類があるのか?
⇒手首に輪ゴムを巻いておき、怒りが沸いた時にパチンと輪ゴムを弾くことで、感情に気づくことができる

 

2)感情を理解する
⇒なぜ怒りを感じたのか?
⇒怒りの感情を持ち続けることによって、どのようなことが起きるのか?

 

3)3種類の介入によって、感情を最小化する
⇒Active(行動):エクササイズ・音楽・ダンス等(うつ病に対しても効果が高い)
⇒Calming(緩和):瞑想・深い深呼吸等(1日5分の瞑想で驚くほど成績UPした学校も)
⇒Thinking(思考):「この状況でいいことは何か?」を自身に問いかける

 

4)ポジティブな感情の形成
⇒大好きな食べ物を時間をかけてじっくり味わい尽くす・集中する
(例:レーズン1つを5分かけて食べる等)

3つの介入に出てきた「Thinking techniques(思考技術)」の問いかけって、まさに和田裕美さんの「陽転思考」の「よかった探し」と同じですよね!
ちょっと興奮してしまいました♪

7つのオウム、どれを飼ってる?

最後は自分の思考パターンを知る、ということについて。

講演では「SPARK」という各ステップの頭文字をとった単語で表現されていましたが、
状況を認識する―事実に目を向け、感情を入れずに受け止める
というのが第1ステップです。

その後、自分がどのような感情を持つか?によって、反応は変わります。
その「反応パターン」が自分の思考パターンになるわけで、コレを認識するのが第2ステップ。

この思考パターンについて、講演では7羽のオウムをイメージする方法が紹介されていました。

  • 批判オウム:他人を非難し批判しがち。頑固で意見を変えない。怒りっぽい。
  • 心配オウム:将来のことを憂い、今うまくいかないのではと不安に感じる。ときに最悪のケースを考えて、不安や怖れ、神経質な状態を経験する。

という2羽が紹介されていましたが、残りの5羽についてもぜひ知りたいです。
(スライドにあった「知覚のオウム」「裁判にかけられたオウム」等がソレなのかな?)

で、この7羽のうち自分がどのオウムを飼っているか―あくまでイメージ上の話ですが―は、たいていのヒトであれば自己判断できるのだそうです。

このオウムを意識することによって、自分の考え方に柔軟性を持たせるのがゴール!とのこと。

 

以上!ワタシが理解できた内容をまとめてみました。
まだ新しい学問ということもあり、実証が充分でないのも事実だそうですが、アプローチとしてめっちゃ面白い!と思いました。

イローナ博士、見事な通訳をしてくださった田中ケイコさん、運営スタッフの皆さん、ありがとうございました!


■編集後記■

今回は通訳付きの講演でした。
英語、やっぱりちゃんと勉強しよう!英語のまま理解したいなぁ。
あと、講演の中で紹介されていたサイトや書籍も読めるようになりたい。

キャリア形成関連の分野って、欧米にはこんなに面白い&新しい概念があるのね!と今日一番の目からウロコでした。もっともっと勉強したい!

とりあえず、邦訳されたポジティブ心理学の本が何冊か出版されているみたいなので、読んでみたいと思います!ワクワクするな~♪

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