NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』や、日テレ『世界一受けたい授業』でお馴染みの脳科学者、茂木健一郎さんの本。
茂木さんのブログによると、すでに50万部以上のベストセラーになってるとのこと。
うーむ、スゴイ。
やっぱメディアによる認知度が高い方だからかな? と思って読み始めてみました。
全部で8章構成になっていて、その中で37の勉強法が解説されています。
第1講「強化学習」
筆者によると「まずは最初のきっかけをつかむことが大切」とのこと。
強化学習とは、本によると、
ある行動をとる→試行錯誤の末うまくいく(上達する)→ほめられる、達成感を得るなど報酬を受けとる→ドーパミンが放出され快感を得る→ある行動と快感が結びつく→再び同じ行動をとりたくなる・・・
とのこと。
著者は、「勉強するとうれしい、うれしいから勉強する」というサイクルを持っていたとのことですが、私にとっての「報酬」は何だろう?としばし考えてみました。
うーん、ちょっとお恥ずかしい話ですが、やっぱり「人から認められる」ことでしょうか。
「承認欲」というそうですが、周囲に認められるとき、私はとっても嬉しいのです。
(ま、誉められるのはニガテなんですけどね。決して嫌いじゃないけれど)
読み進めていくと、やはり「ほめて伸ばす」ことは「強化学習」の観点からは理にかなってるとのことで、安心。
みんなもそうなのね、と。
あと、「できることをやっても脳は喜ばないが、できそうもないことをクリアすると脳は大きな喜びを感じる」という点に注目しました。
最近あまり味わってない感覚だなぁと。だからちょっとマンネリっぽく感じてるのかも。
第2講「タイムプレッシャー」
「簡単にいえば、自分の作業に、制限時間をもうける」こと。
それによって高い集中力が身に付くそうです。
そういえば、私も夜に飲み会の予定が入ってるときは、ものすごい集中して仕事を終わらせることができるなぁと(半ば、ムリヤリ終わらせてるってのもあるけど)。
ふむふむ、それを「1日の仕事全体」ではなく、「1つ1つの作業」に制限時間を設けてしまえば良いのかも。
ただ、仕事は同じでも内容&負荷はそれぞれ違うから、何を基準にすべきか考えたほうが良さそう。
しかも定例である仕事じゃないと、筆者のいう「前回より3分早く終わらせよう」という負荷をかけにくいですもんね。
自分の仕事をいかにルーティン化し、タイムプレッシャーによって時間を短縮していくかが重要ということですね。
第3講「集中力を養う『鶴の恩返し』勉強法」
集中力……私のニガテなことの1つです。
集中できないわけじゃないんだけど、いつも気が散ってしまって、集中するキッカケが解らないのです。
いつも、ふと気づいたら集中してた、という状態なので、再現性がない。 著者によると、
集中力は三つの要素から生まれると考えています。
1. 速さ:作業のスピードを極限まで速くすること
2. 分量:とにかく圧倒的な作業量をこなすこと
3. 没入感―周囲の雑音が気にならないほど夢中になることこの三つの要素を理解することで、誰もが集中力を磨くことができるのです。
とのこと。
3つ目の「没入感」については、いまいちピンときませんでした。
「勉強にのめりこみ、勉強と自分が一体になる感覚」 =「ある状況において、生き生きと熱中している幸せな状態」 =「ステュディオス」
それは理解できるのだけれど、次に出てくる「フロー状態」との違いが今一つ解りません。
うーん、フロー状態(ゾーンともいう)は私も味わったことがあるし、よく高いところから落下するときに「周りがスローモーションになった」というのも同じでしょう。
むむむ、解らない……けど、筆者のいうように「もっとも大切なのは、本人が、行動に伴う結果ではなく、その行動自体に価値を見出している」ということが大事みたいなので、ほぼ同義として捉えておくことにします。
第6講「脳のコンディションを把握しよう」
「自分の弱点を克服するには」という部分が非常に興味深かったです。
以下、引用ですが図をそのまま書いただけなので、あらかじめご了承を。
STEP1 「自分はこれが苦手だ」と認める
⇒弱点と対峙する時には苦痛を伴うが、逃げてはいけないSTEP2 なぜ苦手なのか分析する
⇒自分自身を徹底的にモニタリングするSTEP3 弱点を他の能力で補うという考えを捨てる
↓(うまくいかなかったら2に戻る)
STEP4 苦手なものを克服すると、それが大きな快感になる
⇒強化学習によって長所になることもある
私は数学がとっても苦手ですが、勉強すれば得意になるかも?ってことですよね。
なぜ苦手なのか……うーん、筆者の言うような論理的な根拠って何だろう? ちょっと考えてみます。。
さて、だいぶ長くなったので、このへんで。
本書は各講ごとの終わりに【茂木流・勉強の極意】としてまとめが書かれているので、読んだ部分の整理がとてもしやすかったです。うーん、さすが茂木先生!
第1講 脳は「ドーパミン」と「強化学習」が好き
第2講 「タイムプレッシャー」が脳の持続力を鍛える
第3講 「瞬間集中法」で勉強を習慣化させる
第4講 茂木健一郎流「記憶術」
第5講 茂木健一郎の「読書のススメ」
第6講 脳のコンディションを把握しよう
第7講 自分を変える「一回性」に巡り会うには
第8講 偶有性がさらなる脳の発達を促す