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それでも「有名人」になりたいですか?『「有名人になる」ということ』勝間和代

『「有名人になる」ということ』勝間和代

コレが携書(※)で出ちゃうのか…!!!
本書を夢中になって読み終えて、ビックリ(あ、1000円じゃ安いっ!ってことです。念のため)。

※携書=新書サイズの本。Discover21社独自の呼び方(のハズ)

勝間さんといえば、「カツマー」ブームを巻き起こした「言わずと知れた」有名人。
でも、ビジネス系以外の友達は、あんまり知らないかも?(事実、ダンス関連の友人はあんまり知らないっぽい)

ワタシ自身、勝間さんの処女作から拝読しており、著者からキー局のTVバラエティに出る有名人になるまでの数年間、割りと「勝間さん寄り」で見てきて、「カツマーブームって何だったんだろう……?」と思うこともしばしば。

本書は勝間さんがいかにして有名人になったのか? ということを、

  1. そもそも「有名人になる」ことのメリデメとは?
  2. どうやったら有名人になれるのか?
  3. 「有名人」になった後はどうなるのか?

に分けて解説されたものです。

想定していた読者ターゲット層は、当初

  1. 有名人になりたい人
  2. 有名人のウラ側を覗き見したい人

の2つ。

ところが、フタを開けてみると、

  1. 企業内のマーケティングの教科書
  2. 組織内で「有名」になるにはどうすれば良いのか?気をつけるべき点は?

という新たな2つのターゲットにもよく売れているとのこと。
(言葉のニュアンス違うかも。先日のブッククラブでお話されてました)

その結果、発売開始後たった2週間で5万部突破といヒットにつながっているそう。

では、順番に見ていきましょう。

目次

「有名人になる」ことで得られるメリットは、ホントに見合ったモノ?

そもそも、勝間さんがTVに出るような有名人になったのは、狙ってやったことだそう。
本書で勝間さんは「有名人プロジェクト」と名づけておられます。そうだったのか!と目からウロコ。

BtoCはニガテそうなのに、なんでわざわざBtoCに切り替えたのか、ずっとナゾでした。
けど、本書を読んでスッキリ。なるほどー!ってなります。

本書では、有名人になることによるメリット&デメリットについて、5つに分けてポイントが整理されています。

  1. 有名人になることの直接的な金銭メリットは思ったほど大きくない。
    プライバシーの侵害にちょうど見合うか、見合わないか程度
  2. なんといっても大きいのは、人脈のひろがりによるチャンスのひろがり。
    これを生かせないと、有名人になったメリットはほとんどない
  3. 大きなデメリットのひとつは、「衆人環視の中」で生きるということ
  4. 最大のデメリットは、見知らぬ人たちから批判され攻撃されることを「日常」と考えなければいけないこと
  5. 発言力がつき、やろうと思ったこと、考えたこと、目指すことができやすくなる。
    それは有名人であることが信用につながっているからである

あれ……? デメリットのほうが大きく見える…よ…??

でも勝間さんは、「わたしにとってあこがれの面々と直接会って話ができたのですから、それだけでも、さまざまな『有名税』に対してすべてのおつりがくると思います(P.40)」とおっしゃいます。

なるほどー。
金銭的な報酬というより、無形の報酬が大きいというわけですね。

逆にデメリットはたっくさんありますねー。衆人環視というのは、確かにそうでしょう。

何より、4つめが怖いなーと思いました。
コレについても、勝間さんは至極冷静に分析されていますが、「それはそういうものなのだ(P.51)」と達観されるまでは、おそらく我々の見えないトコロで傷ついてらしたんじゃないかなーと推察。

もちろん、批判される勝間さんのほうにも少なからず要因はあるのかもしれませんが、匿名の相手に罵られるのは、さすがにキツイ。

ワタシは、絶対に安全(だと本人が思っている)トコロから、匿名で努力しているヒトを批判するヒトが大嫌いです。ま、誰だってスキじゃないと思うけど。

閑話休題。

本書も含め、Amazonの勝間本のレビューは、読んでいるコチラの気分が悪くなってくるくらいのヒドいことが書かれています。コレについても勝間さんは著者自らレビュー者に質問や対話を投げかけておられましたね………勝間さんって、実はドM?(ウソですゴメンナサイ)

何はともあれ、「なんとなく有名になりたい」ってだけだと、痛い目見るぜよ!ってこと。

そもそも、「有名になること」自体が目的になっていませんか?
なぜ有名になりたいのか、キチンと考えてますか?

ってことですね。

コレで誰でも有名人になれる、かもしれない!?

コレで有名人になれる!?

コレをやったから絶対有名になれる!ってわけじゃありません。
(信じられないことに、たまに「なれなかった」とクレームをつけてくるヒトもいますねぇ)

あくまで参考に。

以下はP.65からの抜粋。

  1. 自分の商品性を把握し、顧客やパートナー、競争相手を特定する
  2. 自分がターゲットとする市場について、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングを行う
  3. 自分を売り込むためのサービスを開発し、そのサービスの提供プロセスを管理する
  4. 自分がつくったサービスを普及させるための適切なチャネルを見つける
  5. 自分のサービスに適切な価格をつけ、品質を保証する

なんか、企業の商品ローンチの流れと同じですね。
「商品=モノ」を「自分=ヒト」に置き換えただけで。

でも、モノはある程度客観視できるけど、自分を客観視して冷静に分析するのは、なかなか難しそう……勝間さんはフレームワーク等を用いて、スパスパと分析されています。さすが。

全部のステップについて書くと長くなるので端折ります。
特に「あ、コレ大事」と思ったのが、ステップ2。

市場に「ありそうで、なかった」モノを見つけ、ブルーオーシャン(競争相手が少ないorいない)市場に切り込んでいく、ということですね。ワタシは何だろうなぁ…じっくり考えてみよう。

「終わコン」ってなんぞや?

終わコン=終わったコンテンツ、とのこと。本書で初めて知りました(笑)。

この章では、過去の勝間本について、ご自身での振り返り。
まー、コキ下ろしますねー! って感じです。しかも他社本を含め(笑)。

ココで興味深かったのが、ブームの盛衰のステップ。(P.167より)

  1. 日本人の場合、情報取得→解釈のサイクルが二年間でおおよそ、レイトマジョリティまで普及する
  2. 当の本人は、忙しくなるうえ、人気を背景に仕事が「Easy」になるため、アウトプットの質が下がる
  3. おおむね、一人のコンテンツを三~五年くらい手に入れると、「大ファン」でない限り、お腹がいっぱいになる

特に、その2に納得。
ブームになると一気にシゴトの依頼がドドドッとくるそうですが、ココでちゃんと見極めるのが大切。

すなわち、自分の得意分野にシゴトを集中させること

芸人さんを見ていてもそうですよね。
とある一発ギャグでウケた(=ブームになった)ヒトが、同じギャグを繰り返しやることで、視聴者にあっという間に飽きられてしまったり。

勝間さんも一時期は毎月のように本が出ていて、読む方も大変でした(笑)。
勝間さんの場合、大量の露出期間(いわゆるカツマーブームの頃)を経て、最近はシゴトの量をかなりコントロールされているそう。

曰く、「自分が心から大好きなことを表現すると、結果はあとからついてくる(P.182)」とのこと。

※余談ですが、そもそも「自分は何が大好きなのか分からん」ってヒトも多いんじゃないかなぁ。
 スキをあぶりだす本とかあれば、就活生とかに売れそうですよねー。

本書には「終わコン」と言われはじめた際の対策(?)についても解説されてます。
有名人になることによる目的を達成したならいざしらず、そうでないなら「終わコン」って言われちゃマズイですよね!

というわけで、要チェックです!
(落ち目の芸能人がなぜヌードになるのか、ひじょーに納得いたしました)


編集後記

実は数年前、某TV番組で「カツマー」特集をする際、ワタシ、密着取材されました。
敢えて詳しく書きませんが、「もっと”カツマーっぽい”エピソードはないのか?」という形での取材だったように感じます。

TV放送当日は肺炎で寝こんでたんですが、TVに数分映るだけで、こんなにもいろんなヒトから連絡がくるのか!と驚いたモノです。

そして更に驚いたのが、その後しばらく、
「お高い自転車乗ってるんでしょ?」とか
「公認会計士、目指してるの?」とか
「やっぱPCはレッツノート?」とか勝間さんのことを知ってる人に会うたびに質問されることでした(笑)。

どうも、世間の人たちはステレオタイプな、いわゆる「カツマー」像に当てはめたがる傾向にあるようです(あくまでワタシの主観ですが)。

勝間さんのもとには、ワタシの数百倍もの反応(ポジ・ネガ込で)が届くのでしょう。
こりゃ大変だなー、ワタシにはムリだなー、と思ったことをよく憶えています。
(ま、おかげで勝間さんに名前を覚えていただけたのでヨシなんですがw)

世間一般に対する「有名人」ではなくとも、組織内で名を上げたい(表現ヘン?笑)なら、一読の価値アリ。オススメです!

目次

第1章 有名人になるということ そのメリットとデメリット
第2章 有名人になる方法
第3章 有名人をつくる人たち
第4章 「終わコン」 有名人としてのブームが終わるとき

『「有名人になる」ということ』勝間和代

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