祝!奥田サロン2周年!!!
というわけで、今月の奥田サロンは、ライフネット生命の出口会長がゲスト!
出口さんといえば、歴史に詳しいイメージがあるのですが、奥田姐さんが歴史に「男と女」を絡めるというw
どんな話が飛び出すのか、全く想像つきませんでしたが、とても刺激的な会になりました♪
世界経営計画のサブシステム
出口さんはよく、「働く意味=世界経営計画のサブシステム」とおっしゃっています。
どういうことかと言うと、
人間には向上心があるので、現状に100%満足することはない。
世界を理解して、どこかを変えたいと思っている=周囲の世界を思う存分経営したい、と考えている。
(出口さんの発言そのままではありません。ご了承ください)
ということ。
そのためには、まず「世界の理解」からスタートする必要があるけれど、人間にはもともと
- 「自分の見たいモノ」しか見ない
- 見たくないモノは、現実を変換して見る
という脳の特性があるそうです。
では「世界を理解」するために、どうすれば良いのか。
その答えが、以下2つ。
- タテ・ヨコで考える(宇宙=空間(宇)+時間(宙)=タテ・ヨコ)
- 数字・ファクト・ロジックでのみで考える
例えば夫婦別姓問題について。
- 夫婦同姓を強要されたのは明治以降。日本の歴史の時間軸で見ると1割(約100年)くらい。
- OEDの中で夫婦同姓を強要されているのは日本くらい。
つまり、数字・ファクト・ロジックを使って、時間軸・空間軸で考えると、昔から夫婦同姓だったわけではないし、他国では夫婦別姓は受け入れられている、ということですね。分かりやすい!
歴史上、とびきりカッコイイ男女=?
出口さん曰く、歴史上で「とびきりカッコイイ男女」は、ムハンマドと讃良(さらら)だそう。
ワタシ自身、2人の名前は知っていたものの、生涯について詳しく知らなかったので、へー!というオドロキがいっぱいでした。
ムハンマド
まずは、ざっくり経歴のポイント(出口さんのおっしゃった内容をほぼそのまま載せています)
平均寿命が30歳くらいの時代に、40歳で神の啓示を受ける(神の声が聞こえてきた)
→友人に相談したら、「お前、ボケはじめてるって言わた」
→不安で仕方なくて、15歳くらい年上の奥さんに相談したら、「アナタが嘘をついているとは思えない。あなたを信じる」と言われる。
→そうだな、と思って、神様の声をもとに布教を始める(@マッカ=メッカ)ものの、迫害される。
→ヤスリブで市長をやったら超優秀。
→アラビア半島の商売の中核都市で勢力拡大し、軍隊が攻めてきた。
→軍事指導者としてもムハンマドは優秀で、軍隊の司令官として活躍。
出口さん曰く、
「だんだん冴えないオジサンがカッコいいオジサンになる(会場爆笑)=ポストを得た人は力を発揮する」
とのことw
イエス・キリスト(キリスト教)や、お釈迦様(仏教)と比べると、ムハンマドは普通のヒト。
普通のヒトが作った宗教は、とても合理的である、と出口さん。
イスラム教の聖典には、商売のことがたくさん書いてあるそう。
開祖(ムハンマド)が常識人だったので、とても常識なことが書かれているとのことでした。ちょっと読んでみたい。
讃良(さらら)
讃良、と書くと誰のことか分からないかもしれませんが、持統天皇のことです。
中大兄皇子の娘さんです。大化の改新とかあの辺りの時代のヒト。
天武天皇の奥さんで、草壁皇子のお母さん。
当時は蘇我氏の全盛期。
天皇の跡継ぎでモメないように、皇后を輩出するのは蘇我氏と決まっていたそう。
(外戚が増えればモメるけど、蘇我氏と決まっていたらモメない)
讃良は蘇我氏の直系で、生まれた時から「自分は旦那と一緒にこの国を統べるのだ」と育てられてきているわけです。
閣議を仕切るのは天皇だけど、御簾の裏から指示を出すのは讃良。
それがだんだん面倒になって、天皇とならぶ「天后」という地位を作ってしまったそう。
出口さん曰く、「現代に置き換えると、世界はヒラリーとクリントンが仕切ってるみたいなモノ」だそうw
日本の歴史をだいたい作ったのは、讃良と、彼女のアイデアマンである藤原不比等+その子ども光明子。
この3人が日本のスタートアップのキーパーソンではないか、と出口さん。
いろんな角度からモノゴトを見る
最後に奥田姐さんからのコメントをご紹介。
姐さんは、女性として生きていることに、全く不自由を感じていないそう。
それは3人のメンターのおかげとのことでした。
そのメンターの1人が、出口さん。
姐さんにとって、出口さんは「自分が生きていることに対して、過去の視点から考えさせてくれる」ヒトだそう。
ちなみに、残り2人は、
世界銀行の谷口和繁さん(世界中を転々としていて、次々と新しい視点をもたらしてくれる)
NPO法人グリーンバレー理事長の大南信也さん(スタンフォード大学大学院を出て、20年間同じ場所で一点を見つめ続けている)
とのこと。
奥田さんにとってのメンターとは、「視点・視野・視座・視線を広げてくれる人たち」。
いろんな角度から見られる人たちと接点を持つ、ということが大切で、他の視野から見ると、目の前の問題は「たいしたこと無いじゃん」って思えるとのこと。
後半、会場から出口さんに対する質疑応答があり、かなりマニアックな歴史の質問もw
その中で、「コレは…!」と思ったモノがあったので、1つだけご紹介します。
「鋭い視点を持つコツ、バランスの取り方のコツは?」という問いに対する出口さんの回答に、会場からはドヨメキが!
バランスをとる=バランスをとってイノベーションが起こった例は無い。
常識を疑う=何のために勉強するのか?自分の頭で考え、自分の言葉で、自分の意見を言う。
そのためだけに人間は勉強するのだ。他に目的など何もない。
超シビレました!!!
ちなみに、この「何ために勉強するのか?」というのは、山本義隆さんの言葉だそう。
出口さんが「私の4月5日のツイートを見てください」って教えてくださいました。
光栄です。山本義隆さんの言葉は、僕も大好きです。 @handainakano 入学あいさつ「『学ぶ』ということ」アップ。ライフネット生命・出口会長の、本と旅と人に学ぶ、から、おなじみ山本義隆さんの、何のために学ぶのかへ。 http://t.co/hXQ0JNvni9 …
— 出口治明 (@p_hal) 2014, 4月 5
■編集後記■
いやはや、今回も濃かった!ようやくブログに書けました。
出口さんの歴史の話に興味のある方は、コチラの本が超オススメ!
(当日持参して、サインいただけば良かったー!)
ちなみに、3年目のサロンは1人のゲストの話をじっくり伺って、その内容についてディスカッションする形にしたいとのこと。
来月、どんなゲストが登場するか、今から楽しみです♪