単なる聞き上手から一歩抜き出るために!『アクティブリスニング なぜかうまくいく人の「聞く」技術』谷本有香

本のマナビ
単なる聞き上手から一歩抜き出るために!『アクティブリスニング なぜかうまくいく人の「聞く」技術』谷本有香

あなたは「聞き上手」ですか――?

書店のビジネス書コーナーに行くと、「聞く技術」や「聞く力」に関する書籍がたくさん並んでいますよね。
「聞き上手」になりたいヒト向けの本で、ワタシもキャリアカウンセラー時代はよく読んでいました。

でも、「聞き上手なほうだと思うけど、イマイチ成果につながらない」という方って、意外と多いのではないでしょうか。

今回ご紹介する1冊は、単なる「聞く技術」から一歩進んで、相手と信頼関係を築く・自分の目標を実現することができる
アクティブ リスニング
についての本です。

 

著者は、トニー・ブレア元英首相、マイケル・サンデル ハーバード大教授、著名投資家のジム・ロジャーズ氏などの独占インタビューをはじめ、世界の名だたるVIP1000名以上へのインタビュー実績を持つ、経済キャスター/ジャーナリスト/コメンテーターの谷本有香さん。

フリーランスでHufington PostやTABI LABO等でのコラム・記事執筆や、TV番組のゲストコメンテーター、日経CNBC「夜エクスプレス」のアンカーを務めるなど、大活躍のステキな女性です!

初めてお会いした際、「え?本を出していないんだ?」と思ってしまったんですが、ようやく出版されたのが本書です。

事前準備してますか?

「アクティブ・リスニング」の基本は、

  • 傾聴」によってコミュニケーションの土台をつくり、
  • 問答」によってコミュニケーションを深めリードする
(P.40を箇条書きにして抜粋)

ことです。

「傾聴」はイメージしやすいと思います。耳を傾ける「聞く」ですね。

「問答」というのは著者が名づけた言葉で、「相手への問いかけ」を指します。
返事を引き出すだけでなく、

  • 自分の考えを質問などの形で伝える「問答」
  • 相手に新しい気づきを提供する「問答」
  • 相手の頭の整理を手助けする「問答」
  • 話のテーマを変える「問答」
(P.35を箇条書きにして抜粋)

などがあるそう。

本書では、コミュニケーションの本番で使う「傾聴」「問答」のスキルに加え、より効果を高めるための「準備」と、本番後の「フォロー」について解説されています。

準備→本番(傾聴&問答)→フォロー
という3ステップですね。

普段は目にすることのない「準備」、実際に何をやってるの?

コミュニケーションでは、本番・フォローは実際に確認することができますが、相手の「準備」について目にする機会はほとんどありません。

本書ではVIPへのインタビュー経験豊富な著者が、普段行なっている「準備」について、余すことなく書かれており、
「こ、ここまで入念に準備してるのね…!」
「こんなに全部公開しちゃって大丈夫なの!?」
と思ってしまいました。

著者のいう「準備」とは、

  • 目標確認:相手と会う際に達成したい自分の目標を確認&相手に提供できるメリットを考える
  • 情報収集:目標に合わせて、相手のバックグラウンドを調べたり、思考や行動パターンを推測する
  • 質問づくり:1と2を踏まえ、質問をいくつか用意する&会話の流れをシミュレーションする
(P.54参照)

という3つ。

本書では全部で14のスキルが紹介されているんですが、一番「おおお!」と思ったのが、
いつまでに何をどう調べるか、スケジュールを立てる(P.60-62)」
という部分。

スケジュール化してるのか!とビックリしました。

ちなみに、具体的な調べ方についても詳しく解説されているので、本書でチェックしてみてください♪

傾聴&問答の組み合わせでコミュニケーションのゴールを目指す

本書で最もページが割かれているのが、この「本番」のステップ。
(ちなみに、私が一番フセンを貼ったのもこの章です)


ふせんを貼った図

ご紹介したいことだらけなんですが、「傾聴」と「問答」のスキルから、それぞれ1つずつ挙げますね。

傾聴のスキル10:相手と「素」で向き合う

相手が偉い人だったり、憧れの人だったりすると、必要以上に緊張してしまうことってありますよね。

著者も以前は、「上司や年配の方と話をする時、「偉い人なんだろうな」「私でいいんだろうか」などと考え、萎縮する癖(P.121)」があったそう。

そんな時期もあったのか!とちょっと安心しました(笑)

相手に敬意を持ちつつ「素」で向き合うために、著者がやってみたのが、

「家では優しいお父さんなんだろうな」「奥さんには頭が上がらなかったりして」などと想像してみること

(P.121)

だそうです。

コレなら今日からでも実践できますよね!
(相手が女性のパターンも知りたいです)

問答のスキル11:グッドコップとバッドコップを使い分け、質問する

「コップ」とは「警官」のこと。

まわりが何らかの理由でバッシング一色になっていると、相手は気後れして発言しにくいものです。逆に、まわりから持ち上げられてばかりでも、面映い感じでものが言いにくくなります。
そこで、まわりが相手に対して批判一色であれば自分はグッドコップ(味方役)を演じ、逆に皆があまりにも好意的ならバッドコップ(嫌われ役)を演じるのです。

(P.157)

こうすることで議論が深まったり、会議の結論に対する死角や落とし穴を見つけやすくなるそうですよ!

このスキルを発揮するには、まず場を俯瞰する視点が必要ですよね。
私は俯瞰がニガテなので、5章で紹介されているトレーニングを重ねたいと思います……!

継続はチカラなり!アクティブ・リスニングを磨くトレーニング

本書を読み進めていくと、「明日からでもすぐに実践できそう!」と思うスキルもありますが、「こ、このスキルを身につけるのは大変そうだぞ…」というスキルもあります。

でも大丈夫!
アクティブ・リスニングを身につけるためのトレーニング法が紹介されていますよ!

トレーニングなので「一度やったら終わり」ではなく、日々継続してできるような内容です。
それが9つも紹介されているので、まずはどれか1つを続けるだけでも、きっとコミュニケーションの質が変わるのでは。

中でも「【トレーニング7】自分らしい言葉やフレーズを集める」で紹介されていた
同じことを伝えるのに50の違う言い方を考えてみましょう。(P.210)」
というのが面白かったです。

本書では、感謝の伝え方が例に挙げられていますが、他にも謝罪の伝え方や残念な気持ちの伝え方など、いろんなバリエーションがありそうですよね。


■編集後記■

本書は著者の有香さんからご恵贈いただきました!ありがとうございます!

有香さんから「本を出版する」と伺ってからだいぶ経つような気もしますが、なんと企画が立ち上がってから約3年半もかかったそうです。おおお、そりゃスゴい本のはずだ!

有香さんは普段からとても気さくに接してくださるし、今までされたことのないような質問もバシバシしてくださるし、スゴいなー何でこんなコミュニケーションが取れるんだろうなーと思っていたんですが、本書で謎が解けました。

いやー、スゴい。
当初は人見知りだったとおっしゃっていますが、そこから世界のVIPにインタビューするまで、本当にたっくさん努力されてきたんだろうな、と感動しました。

それを余すところなく、具体事例もたくさん挙げながら分かりやすく解説してくれるなんて……!

有香さんのレベルに達するのは果てしなく遠い道のりですが、本書で紹介されていたスキルを身につけ、コミュニケーションを磨いていきたい!と強く強く思いましたよ!

【目次】

  • はじめに
  • 第1章 「アクティブ・リスニング」は3つのステップで、うまくいく!
  • 第2章 「準備のスキル」で、本番を最高の状態で迎える!
  • 第3章 「本番」では「傾聴」と「問答」の組み合わせで、120%の結果を!
  • 第4章 「フォロー」で関係をつなぎ、より大きな結果を出す
  • 第5章 「アクティブ・リスニング」を磨くトレーニングと応用法
  • おわりに