マイクロソフトの神が伝導!『外資系エリートのシンプルな伝え方』澤円

本のマナビ
マイクロソフトの神が伝導!『外資系エリートのシンプルな伝え方』澤円

マイクロソフトの「キリスト」と呼ばれる御方をご存知でしょうか。

キリストのような髪形で、日本マイクロソフトのテクノロジーセンターのトップを務めていらっしゃる澤円さん。
(最近、髪をバッサリ切ってしまわれましたが……)

顧客向けのイベント「マイクロソフトカンファレンス」のpresentation投票で2年連続1位を獲得。
全世界のマイクロソフト社員10万人中一2人に与えられる「Chairman’s Award」を受賞し、ビル・ゲイツ氏から表彰されたこともある名物マネージャーさんです(帯文とプロフィールから抜粋)

私も何度かお目にかかったことががあり、プレゼンも拝見していますが、とにかくスゴい!の一言。

今回ご紹介するのはそんなキリスト澤さんの『外資系エリートのシンプルな伝え方』です。

「第三極の視点」を取り入れて言葉と表現を研ぎ澄ます

コミュニケーションをとる際、通常は自分と相手の2者が存在します。
ここに3番目の登場人物をつくることで、コミュニケーションの勝率を上げることができる、とのこと。

ここでいう3番目の登場人物の視点=「第三極の視点」は誰を想像してもOK。

「第三極の視点」は、仮想の存在ですから、ご自分で、どんどん自由につくって結構です。私は、自由自在に「第三極の視点」に移動することを、「思考を飛ばす」と表現しています。
(中略)
「こう言ったら、あの部長はどう思うかな?」
「こう言ったら、異業種の友人は、興味を持ってくれるかな?」
「こう言うと、隣の家の子どもにもわかるかなぁ?」
まずはランダムに思考を飛ばしてみることです。
(中略)
思考を飛ばしまくって、あらゆる立場の人の視点で、多面的に考える習慣を身につけましょう。

(P.44-45)

例えば、営業現場において、窓口担当者の後ろには決裁者である部長さんが控えていたりするもの。
最終的に受注を獲得するためには、この部長さんにYESと言ってもらう必要があるはずです。
そんなとき「こう言ったら、あの部長はどう思うかな?」という視点は、きっと役に立ちます。

著者は「第三極の視点」を取り入れるメリットについて、以下のように述べています。

本来、思考というものは、主観で占められている状態なのですが、「第三極の視点」を意識することで、客観的な思考の割合が高くなってくるからです。
そのため、自然と誰にでも伝わりやすい言葉を選ぶようになるので、よりシンプルな表現として、言葉に現れてくるのです。

(P.45)

簡単なことを難しく言うのはカンタンですが、難しいことを簡単に言うのはムズカシイですよね。ちょっと言葉遊びみたいですがw

上司にYESと言わせるメールのコツ


フセンだらけになりました!

↑付箋だらけになりましたー

一般的なビジネスパーソンが仕事上でコミュニケーションを取る手段として、最も多いのはメールだそうです(ビジネスメール実態調査2015より)

電話や対面も以前として上位とはいえ、もはやメールは無くてはならないツールなんですね。

自分の顧客に送るメールはもちろんですが、社内の、特に上司とのメールのやり取りが多いけど、思うように上司が動いてくれない…なんて悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

ただでさえ多忙な上司に、すぐメールを読んでアクションを起こしてもらうには、「読む価値がある!」と強く思わせる必要がある、と著者はいいます。

彼ら部下のメールを見たときに、次のように思考を巡らせていきます。

 

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  1. 「自分が時間をかける価値はあるだろうか?」⇒プライオリティ
  2. 「自分は責任をとれるだろうか?」⇒影響範囲
  3. 「この内容は、本当に信用できるだろうか?」⇒信用度
  4. 「価値があるのか?」⇒リスク&アップサイドリスク
(P.79)

これらの思考を踏まえた上で、上司にアクションを起こしてもらうワザが紹介されています。

  1. 「どうしてほしいか」を真っ先に書く
  2. 無理のないロジックで書く
  3. 安心する理屈を書く
  4. 箇条書きは3つまで
  5. 事実と意見は分けて書く
  6. 伝える事実、伝えなくてもよい事実を取捨選択する
  7. 数字は小数点1桁まで書く
  8. 正しい日本語で書く
  9. 逃げの姿勢を見せない
  10. 裏話はメールでやりとりしない
(P.80~96より項目名を抜粋)

私が「なるほど!」と思ったのが、(3)の「安心する理屈を書く」。

おやじに判断を求めるメールを書く際は、「マイナスポイントを検討したこと」も伝えると喜びます。

(P.84)

理由については、ぜひ本書で確かめてみてください。
読んでいて、「確かに!」と膝を打ちました。

比喩表現を編み出すコツ


見よ、コレが神のサインだ!

↑神のサインをいただきました!

最近はあまり見かけなくなりましたが、一時期やたらと横文字を使うヒトがいましたね。
アジェンダ、コンセンサス、バジェットなどなど、外資系企業ならともかく、日本語使えよ!と思っていたのは私だけではないはず。

横文字だけでなく、専門用語も同じです。
著者曰く「話の中で、ひとつでも意味のわからない言葉が出てくると、そこで思考を止めてしまいます。(P.189)」とのこと。

例えば、PCを持ち込んだ会議でよく分からない単語が出てきたとき、こっそり検索したりしますよね。
この場合、調べている間は話の内容はあまりアタマに入ってきません。

相手の思考が止まってしまうリスクを避けるために、「わかりにくい言葉は、比喩表現で言い換えてしまうことをオススメします。(P.190)」と著者。

比喩表現を使うメリットは3つ。

  • 理解を助ける
  • 印象に残す
  • 「楽しさ」をつくる

とはいえ、誰もがパッと理解できる比喩表現を作るのは、なかなかムズカシイですよね。

著者はいつも、以下のようなプロセスを踏んで比喩表現を作っているとのこと。

  • STEP1:文章から、「強調する言葉」と「機能・動作を表す言葉」をピックアップする
  • STEP2:「機能・動作を表す言葉」を平易な言い回しに換える
  • STEP3:「強調する言葉」とつなげて日常の行為を連想する
(P.196-197)

このプロセスに慣れていくと、短時間でも比喩表現を組み立てることができるようになるそうですよ!

P.199には具体例が載っていますが、コレを短時間でできるようになるには、確かに”慣れ”というか練習が必要だなーと思いました。
実践 あるのみ、ですね!


■編集後記■

記事では取り上げませんでしたが、チャットも重要なコミュニケーションツールですよね。

私の会社ではSlackを使っていますが、まだまだメールのやり取りのほうが多いです。
このあたりの使い分けも今後のビジネスコミュニケーションにおけるポイントになりそうですね!

<目次>

  • Chapter1.「なんとなく人に伝わらない」と思っているあなたに知ってほしい5つのこと
  • Chapter2. トップも動かすメールの技術
  • Chapter3. 実績に結びつくチャットの技術
  • Chapter4. 人も結果も引き寄せる会話の技術
  • Chapter5. 外国人でも子どもでも どんな相手にも等しく伝わるプレゼンの技術