育児+アクションを!「iction! FORUM 2016」参加レポ(前編)

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育児+アクションを!「iction! FORUM 2016」参加レポ

今日は、リクルートがCSRの一環として実施している、「iction!」というプロジェクトのイベントに参加してきました。

「iction!」の概要は以下のとおり。

「子育てしながら働きやすい世の中を、共に創る」をキーワードに、「はたらく育児」を応援するプロジェクトです。このプロジェクトに賛同いただける行政、企業、NPO等の方々と共働しながら働く意欲を持つ子育て世代の就業の実現を目指します。「iction!(イクション)」とは「育児」と「アクション」を組み合わせた言葉です。子育てしやすい世の中にする、働き方にアクションを起こす、社会みんなでアクションをしていく、などの意味を込めています。

iction!については、以下の動画が非常に分かりやすいです。
1分弱の動画なので、ぜひ。


私は出産経験はありませんが、子どものいる友人たちが仕事との両立で悩んだりしているのを目の当たりにしており、非常に興味を持っているテーマです。

以前キャリアカウンセラーとして働いていた頃も、育児との両立に苦労されている方の相談にたっくさん乗ってきて、「何で女性ばかりが育児で苦労しなくちゃならないんだろう?」とずっと思っていました。

 

今回のフォーラムの副題は「子育てしながら働きやすい世の中を、共に創る。」です。

定員300名に対し、応募者が殺到したそうで、抽選に外れた方もかなりいた様子。
世の中的に感心の高いテーマですもんね。

興味はあるけど参加できなかった……という方のために、当日のメモをご紹介します。

オープニングスピーチ:経済産業省 藤澤秀昭さん

まずはじめに、経産省でダイバーシティ推進を担当されている藤澤秀昭さんのスピーチ。

成長戦略としての女性活躍の推進」と題したお話でした。

なぜ女性活躍がこれほどまでに重要と言われているのか?という点について、簡単にいうと 少子高齢化で生産年齢人口(いわゆる「働いて税金を収める人たち)が減るので、働く女性の数を増やそう」ってことです(だいぶざっくりですが)。

課題として挙げられていたのは、以下の3点。

  1. 出産/育児の前後で労働参加率が落ち込むこと(いわゆる「M字カーブ」)
  2. 就労している場合も、非正規雇用の割合が高いこと
  3. 女性の管理職(役員ふくむ)への登用率が低いこと

実際の取り組みとしては、「ダイバーシティ経営企業100選」や「なでしこ銘柄」の選定、「女性起業家等支援ネットワークの構築」などを実施しているとのこと(3つめのネットワーク構築は今年から)。

詳しい情報は、経産省のページに載ってます。見づらいけど。

ダイバーシティ推進(METI/経済産業省)

菊池桃子さんからの応援メッセージ

続いて、女優の菊池桃子さんからのメッセージ。
現在、戸板女子短大の客員教授をなさっているそう。

40年前から少子化や人口減少問題はあったのに、変わらないままずるずるきてしまったのが現代。
40年前って1975年頃ですよね……。

さすがにマズい、と国は動き始めているけれど、まだまだ実際の子育ての現場の「小さな声」は政府に届いていないのではないか、それを拾って届けていきたい、と菊池さん。

実際に質的調査をしていくと、「PTA」が働くお母さんの壁になっているケースが多いとのこと。

例えば、PTAに参加するために会社を休もうとすると、「だから子どものいる人は面倒だ」と言われたり、管理職の打診があっても、子どもが高校生になるまでは、いつPTAの役員に選ばれるか分からないから断ってしまったり。

ジェンダーギャップ指数についての話題も出ましたが、彼女のお話で一番おもしろかったのが、「大学生に聞いた、昭和と平成のギャップ」です。

  • 社会進出している女性や、イクメンをスゴい・ステキだ、と評価すること自体、男女差をつくっているのでは?
  • アニメで女の子が魔法を使うけど、それは「魔法を使わないと女の子は活躍できない」という潜在意識があるのでは?
  • 「肉食系男子」を「男らしい」と決めつけるのは古い。
    「草食系」も「植物系」もいていい!

「植物系男子」は初めて聞いたんですが、菊池さん曰く「じっと動かず、たまに水を欲しがる」という感じの男性を指すそうです(笑)

基調講演:『はたらく育児』3つの課題/リクルートワークス研究所 所長 大久保幸夫さん

雇用問題に長く取り組んでおられる大久保さんから見て、直近4年で かなり劇的な変化が起きている、という感覚があるそう。

今までもさんざん少子高齢化や女性活躍について議論されていたけど、結局変わらなかったので、今回の安倍政権の動きも「また景気が悪くなったら立ち消えになるんでしょ」と思っていたそうですが、どうやら今回は違う、と。

では、現状の課題は何か?ということで、データを紹介しつつ3つの課題について解説されました。

1.出産後 仕事を続けられない

妊娠・出産により仕事を辞める人は62%
そのうち、辞めたことを後悔している人は41%いるそうです。

辞める理由は「しばらくは育児に関わりたかった」「体調不安定で働けなかった」という事情もあるけれど、働き続けたかったけど、

  • 子育てしながら働ける環境、仕事ではない
  • 産休・育休取得条件を満たしておらず辞めざるをえなかった

という事情も多いようです。

確かに雇用形態(正社員か非正規社員か)によって、産休・育休の取得条件は大きく異なります。
出産後の仕事の継続率は、正社員=52%に対し、非正規社員=18%とのこと。
例えば、契約社員は退職ではなく「契約満了」になるケースが多いそうです。

あとは、出産後に働きたくても、配偶者や家族の賛成が得られないケースも多いとのこと。
ううむ、確かに両親(義理も含む)に賛成してもらえるかどうか、大事ですよね。

2.両立のストレスがのしかかる

両立、というのは、育児と仕事の両立のこと。
お子さんのいる父親のストレスは、ほぼ仕事に集約されますが、働く母親は、仕事とプライベートのストレスが半々。

会場で最も反応が大きかったのが、「夫の態度ストレス」でした。

子育て自体にストレスを感じている人は少ないものの、夫の態度ストレス以外にもたくさんのストレスに囲まれている、と大久保さん。

リクルートワークス研究所が「働くマザーのストレス調査」を公開しているので、ぜひチェックしてみてください。

3.再就職したいのにできない

3つめの課題は「再就職したいのにできない」問題。

非就業マザーの60%が、「何か収入のある仕事をしたい」と思っているものの、実際に仕事を探しているのはわずか15%しかいません。

え?何で??って思いませんか?

その理由は「子どもの保育の手立てがない(30%)」「家事・育児が多忙(23%)」という大きく2つの理由があります(私は残りの理由も気になりますが)。

これに紐づくのが、いわゆる待機児童問題と、男性の育児参加率の低さですよね。
もっと広い意味で捉えると、長時間労働を良しとする文化もかな。

 

で、実際に仕事を探し始めても、就業するまでに大きな壁が2つあります。

1つは「企業側から断られる」こと。
キャリアカウンセラーをやっていると「ブランク期間=マイナスになる」ということがイヤというほど分かります。書類選考に通過するのが難しいので。

あと、お子さんがいると、「子どもの体調によって急な休みが多いのでは?」などと敬遠されるケースも、残念ながらまだまだ多いです。

もう1つの壁が、「希望条件に合わない」こと。
徒歩や自転車圏内で働きたい、短時間(3〜5時間)なら働けそう、と思っても、なかなか当てはまる求人はありません。

お子さんがいても、比較的求人が多いといわれる薬剤師さんのキャリアカウンセリングをしていた頃、よく「自宅から徒歩20分のところで、午前中だけ働きたい」という方がいましたが、そもそもその範囲内に薬局や病院がなかったり、午前中は他の薬剤師さんで埋まってしまっていたり、難しいケースが多かったと記憶しています。


■編集後記■

だいぶ長くなってしまったので、後編に続きます!

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