ペルソナはいらない?ブランディングに必要な要素とは/NewsPicks×WIRED 「新時代を生き抜くメディアの作り方」参加レポ

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ペルソナはいらない?ブランディングに必要な要素とは/NewsPicks×WIRED 「新時代を生き抜くメディアの作り方」参加レポ

今日はNewsPicksとWIREDのコラボイベントに参加してきました。

テーマは「新時代を生き抜くメディアの作り方」。
前半は各メディアから現在の事業状況についての紹介があり、後半はNewsPicks編集長の佐々木紀彦さんと、WIRED編集長の若林さんのトークでした。

本記事では、トーク内容をレポートします。

NewsPicks佐々木紀彦さん × WIRED若林さん

当初はメディアのマネタイズの話題を予定していましたが、話はどんどんディープな方向に。

幾つかのトピックに分けてご紹介します。

著名人を起用しないWIRED

若林さんの「マネタイズ、どうっすか?」からスタートしましたが、すぐブランディングの話題に。

若林さん:
自分たちが「WIREDってこういうモノです」とブランドを定義するのではなく、世の中や読み手が作っていくもの。
だからパッと作れない。時間がかかるんだよね。

 

WIREDは著名人を使わないのがポリシー。
著名人を起用することでコンテクストが決まってしまうから。
人で釣る(=著名人のファンやお客さんを目当てにする)のは好きじゃない。

 

どういう興味があるのか悟られるな」ってスタートして、徐々に「こういうことがやりたいんですよね?」って分かる人が現れたんだよね。

彼らのようなオーガニックな(≒自然発生的に集まった?)コミュニティができるよう意識してきた。

アメリカのWIREDは、表紙に人物の顔を使わないんだそう。
つまり、「**さんが表紙だから今月号は買おう」みたいな読者は重視していないんですね。

アメリカはサブスクリプション(≒定期購読や課金制)前提のメディアが多いのも理由の1つ。

ペルソナは要らない

続いて、メディア運営の際に必要といわれる「ペルソナ」について。
ペルソナとは「想定読者」に近いイメージでしょうか。

一般的には、年齢や仕事内容などの基本的な情報/1日の過ごし方/よく口にする言葉などの情報を含む人物像を指します。

佐々木さんからの「WIRED読者のペルソナってどんな感じなんですか?」という質問に対し、若林さんは「作ってないんだよね」とバッサリ。
ちなみに、NewsPicksでもペルソナは作っていないそうです(笑)

若林さん:
世帯年収や年齢で分ける意味があるのか?っていうと、もう意味ないよね。
例えばAppleユーザーは学生から年配の方まで様々な世代がいるわけで、それをどうセグメントするの?っていったら「Appleユーザー」っていう価値観じゃないかな。

 

「WIRED読者ってどんな人?」って言われて(自分たちじゃなくて周りから)「こういう人」って言われるメディアでありブランドであることが大事。
「Appleユーザーってこういう人だよね」が世の中に伝わって初めて、ブランドが固定されるんだよね。

前述の通り「ブランドは自分たちが定義するのではなく、世の中や読者が作るもの」ということですね。

 

一方、佐々木さんはNewsPicksの読者を「気持ちのいいリア充」とおっしゃっていました(会社オフィシャルの表現ではないそうです。念のため)。

佐々木さん:
日本のネット世界が怨嗟とか悪口とかで溢れて、気持ち良い空間じゃなくなるのがイヤなんです。
そうなってしまう要因の1つに、ネットとリアルを分けることが考えられるけど、2つを分けて考えるのって、もう時代遅れですよね。

最後の質疑応答で、NewsPicksはコミュニティとして「言いっ放し」になっていて、それについてはどうなのか?と質問がありましたが、佐々木さんは敢えて「コミュニティ化しない」そう。

我々は”人”ではなく、”ニュース”に向き合う」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。

紙とWEBの違いは?

メディアのマネタイズ手法はいろいろあるよね、とようやくマネタイズの話に移ります。

若林さんの「(今回のような)イベントって、やっている側も楽しいんだけど、手間がかかる割にマネタイズしにくいよね」という話を受けて、話題はすぐにマネタイズから外れていきます(もちろん、そこが面白いんですよ!)

佐々木さん:
WIREDは紙媒体があるから良いですよね。
日本人は特に「モノ」が好きだから、実際に手に取れる「モノ」があるのは強いと思うんですよ。

 

若林さん:
確かに。アメリカでも、電子書籍のみと、紙の書籍+電子書籍だと、後者のほうが売上がいいってデータも出てるんだよね。
デジタルに移行すればいいってわけではなく、紙と電子書籍は違うモノ。

 

佐々木さん:
紙 vs. WEBみたいな対立で考えるのも、時代遅れですよね。


■編集後記■

今回のイベントは、実は2つのメディアへのリクルーティング目的のイベントだったそうです。
イベントページのどこにも書いていなくて、会場でも転職を考えている人はほとんどいない状況で、担当の方が青ざめていました(笑……っちゃいけないですね)

トーク終了後は、隣のカフェで懇親会もあり、無料では申し訳ないくらい有意義なイベントでしたよ!

さすがに申し訳ないので、質疑応答の際に「採用面接で、どこを見ているか?どんな人を評価するか?」と質問をさせていただきました。

佐々木さんの答えは明確で、「成果物を見る」とのこと。
面接で話が上手くても中身が伴わない(=仕事がデキない)人はいますが、「成果物はウソをつかないから」だそう。確かに。

若林さんは「教養のある人」とおっしゃっていました。
「教養がある」ってどう判断するんだろう?と思い、懇親会でも質問させていただきましたが「難しいよね」と。

一緒にいた友人は「雑談をすると分かる」と言っており、確かにそれもあるなーと思っていましたが、若林さんが「コンテクストをたくさん持っているかどうか、かな」とポロッとおっしゃっていたのが強く印象に残りました。

たしかに知識だけを百科事典のようにたくさん持っているだけでなく、それを様々な切り口や文脈(≒コンテクスト)の中で活かせなければ、単なる頭でっかちですよね。

冒頭で若林さんがおっしゃっていた「ブランドはパッとできない」と同様に、「教養もパッと身につかない」ですよね。
「教養のある人」ってどういう人だろう?他の人はどうやって身に着けているんだろう?などふわふわと考えながら帰路につきました。

若林さん、佐々木さん、運営スタッフの皆さま、ありがとうございました!